この記事は自然災害にも配慮した土地探しをしたい方向けです。
大雨や地震など自然災害のニュースを見かけることはありますが、
災害を経験をしていなかったり年月が経つと防災意識が低くなってしまいがちです。
僕は阪神淡路大震災を大阪で経験し、地震にはとても敏感になっています。
それなのに、この記事を書き出して久しぶりに防災グッズの再確認をしました。
自然災害はいつどんな規模で起きるか分かりません。
土地の事を知り、備えることはとても大切なことです。
しかし、ハザードマップ上で危険とされているエリアであっても、契約前の[重要事項の説明]の中でサラッと伝えて終わらせてしまうような営業マンもいます。
この記事では、自然災害の詳細と調査の方法について紹介しますので、大切な家族を守るために、ぜひ参考にしてみてください。
マイホーム:ハザードマップとは?
ハザードマップとは、自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したものです。
国土交通省が全国の公表状況をまとめた[わがまちハザードマップ]で簡単に調べることが出来るので、新居の候補地が絞れて来たら確認するようにしておきましょう。
押さえておくべき自然災害重要ポイント4選
ニュースやインターネットで情報を見聞きして危機感を持ったり、自分自身や親族などが実際に災害に合ったりなど、きっかけと度合いや気にするポイントは人それぞれですが、最低限押さえておくべき4つの項目を紹介していきます。
中には不動産屋の説明が義務付けれらていない項目もありますので注意しましょう。
土地探し:重要ポイントその①津波災害警戒区域
津波とは地震や火山活動などが主な原因として発生する大規模な波の伝播現象で、波の波長が600㎞、高さが5mを超えたケースもあります。
津波災害警戒区域(イエローゾーン)と津波災害特別警戒区域(オレンジゾーン・レッドゾーン)がありますのでそれぞれの内容を見ていきましょう。
津波災害警戒区域(イエローゾーン)
津波災害警戒区域(イエローゾーン)とは、都道府県知事が指定する区域で、最大クラスの津波が発生した場合「住民の生命または身体に危害が生ずるおそれがある区域」となっています。
警戒区域内での住まい探しをする場合はしっかり勉強をし、建てるお家にも出来る限りの対策を取り、避難経路や避難場所も家族でしっかりと共有しておくべきでしょう。
津波災害特別警戒区域(オレンジゾーン・レッドゾーン)
津波災害特別警戒区域(オレンジゾーン)とは、都道府県知事が指定する区域で、最大クラスの津波が発生した場合
「建築物に損壊が生じ、または浸水し、住民の生命または身体に著しい危害が生じるおそれがある区域」
となっており、特別警戒区域内の社会福祉施設や学校、医療施設の建築とそのための開発行為に関しては、建築基準も厳しく設けられています。
津波災害特別警戒区域(レッドゾーン)とは、市町村の条例で指定する区域です。
オレンジゾーンの中でも、特に迅速な避難が困難な区域で、レッドゾーンの場合は住宅などの建築とそのための開発行為に関しても、厳しい建築基準が設けられています。
特別警戒区域内での住まい探しはよっぽどの事情がない限り僕はあまりお勧めしたくありません。
土地探し:重要ポイントその②土砂災害警戒区域
土砂災害とは、主に下記の3つを原因とした災害を指します。
- [土石流]山腹が崩壊して生じた土石等又は渓流の土石等が水と一体となって流下する自然現象
- [急傾斜地の崩壊]傾斜度が30°以上である土地が崩壊する自然現象
- [地すべり]土地の一部が地下水等に起因して滑る自然現象又はこれに伴って移動する自然現象
土砂災害警戒区域(イエローゾーン)と土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)がありますのでそれぞれの内容を見ていきましょう。
土砂災害警戒区域(イエローゾーン)
土砂災害警戒区域(イエローゾーン)とは、都道府県知事が指定する区域で、「住民等の生命または身体に危害が生ずるおそれがある区域」となっています。
ちなみに僕が住んでいるところは家のすぐ裏手に山があり、土砂災害警戒区域内です。
裏手の山の事などをちゃんと調べたうえでお家を建てましたが、大雨が降ったりすると避難指示が出たりすることは多いです。
(土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律 第三章第七条)
土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)
土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)とは、都道府県知事が指定する区域で、「建築物に損壊が生じ住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域」となっています。
僕も今住んでいるところが土砂災害警戒区域ではなく、特別警戒区域だったらお家を建てるのはあきらめていました。
(土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律 第四章第九条)
土地探し:重要ポイントその③水防法の規定に基づく水害(洪水・雨水出水・高潮)ハザードマップ
水防法に基づく水害ハザードマップとは、市町村が提供する3種類の水害ハザードマップを指します
- [洪水]大雨や雪どけなどによって河川流量が普段より増大したり、氾濫すること。
- [雨水出水]一時的に大量の降雨が生じた場合において下水道その他の排水施設に当該雨水を排除できないこと、又は下水道その他の排水施設から河川その他の公共の水域若しくは海域に当該雨水を排除できないことによる出水をいう。(簡単に説明すると雨水を逃がすことが出来なくなってしまう事です。)
- [高潮]台風や低気圧によって起こる強風や気圧の変化などが原因で潮位がいつもより高くなる現象をいう。
[洪水・高潮]国土交通省(用語解説 )・[雨水出水]衆議院ホームページ
台風やゲリラ豪雨など、日本に住んでいる以上完全に防災することは難しいかも知れませんが、いざという時の為に自分が住むかもしれないエリアがどういう状況なのかは把握しておきたいものですね。
土地探し:重要ポイントその④地震のリスク~活断層~
重要項目①~③までは、お家を買う際に受ける重要事項としての説明義務があるのですが、活断層に関しては今のところ説明義務がありません。
なので聞かないと教えてくれない場合や、はぐらかされてしまうケースもあると聞きます。
日本はインドネシアに次ぐ世界で2番目に地震の多い国とされています。
当然地震は切っても切り離せない問題ですね。
地震とは、地球の表面を覆っている「プレート」と呼ばれる板のような岩の層があり、プレートの中で強度が弱い場所(=断層)が壊れてずれ動く事によって起きた衝撃が震動として地面に伝わったものです。
そして「断層」のうち、特に数十万年前以降に繰り返し活動し、将来も活動すると考えられる断層のことを「活断層」と呼んでいます。
国土交通省国土地理院の活断層図で任意のエリアの現在発見されている活断層の情報を見ることができます。
地理院地図 / GSI Maps|国土地理院
地盤強度について
自然災害とは違いますが、地震と関係があるため少しだけ解説しておきます。
弱い地盤の場合、地震が原因で地盤が緩み、建物が不動沈下を起こすこともあります。
不動沈下を起こし建物が傾いてしまうと、部分的に荷重がかかり様々な弊害が発生します。
そういった弱い地盤でお家を建てる為には地盤改良を行いますが、何百万円とお金がかかるケースも少なくはありません。
ハザードマップと併せてこちらの『地盤サポートマップ』で検討物件の地盤の状態を把握しておきましょう。
僕は土砂災害警戒区域に住んでいます。
実は、長年住宅販売の仕事をしている僕がマイホームを建てたのは土砂災害警戒区域(イエローゾーン)内です。
もちろん、土砂災害警戒区域を狙って探していたわけでは無く、家族の優先順位を考えた末たどり着いた物件がたまたま土砂災害警戒区域内の物件でした。
実際に生活をしている中で、大雨が降った時などは警報が多くドキドキすることもありますが、事前に家族で話し合いをして有事の際の約束事なども決めています。
どこに住んでいても、なんらかの自然災害に巻き込まれる脅威はありますし、自分が住んでいるエリアの特徴を把握したうえで選択するのであれば、危機感なく暮らすよりもいざという時的確に動けると思っています。
優先順位上位の項目は譲らない方が良いですが、上位でないものは解決方法を考える土地探しの方がうまくいいきます。
家族の優先順位を整理したい人は【永久保存版】マイホーム[土地探し]優先順位15選チェックリストを参考にしてみてください。
まとめ
生活と自然災害は切っても切り離せない関係にあります。
残念ながらどこに住んでいたとしても絶対安全な場所は無いのでしょう。
だからこそ、自分たち家族が新しい生活を始める地域がどのような地域で、どのような自然災害に見舞われる可能性があるのかをきっちり把握し、いざという時にパニックになってしまわないよう備えをしておくことが大切です。