個人でも簡単に土地の相場を調べる方法があることを知っていますか?
安すぎたり高すぎたりする物件に気づけたり、
予算組みの指標としたり、
物件の善し悪しを判断したりと、
土地相場を把握することには様々なメリットがあります。
僕のように住宅販売の仕事をしているのであれば、日々物件情報をチェックしているため相場観は自然と養われていきますが、普通に生活をしているとそういうわけにもいきませんよね。
この記事では、
基本的な土地相場の調べ方と、無料で簡単に土地相場を調べることが出来るサービスの紹介をしています。
土地価格に差が付くポイントの解説もしていますので、検討エリアの土地相場を把握し、理想の土地を探すために役立ててもらえれば嬉しいです。
土地価格の相場の調べ方
土地価格の相場を調べる方法は、いくつかあります。
下の表は、土地価格の相場を調べるための「公示地価」「相続税路線価」「固定資産税路線価」「実勢価格」について、それぞれの調査機関や用途などを分かりやすく表にまとたものです。
項目 | 公示地価 | 相続税路線価 | 固定資産税路線価 | 実勢価格 |
---|---|---|---|---|
調査機関 | 国土交通省 | 国税庁 | 市町村 | 不動産業者、銀行、不動産鑑定士 |
調査の目的 | 地価の公示や都市計画の基準 | 相続税や贈与税の評価基準 | 固定資産税の課税対象となる評価基準 | 不動産の市場価格の把握 |
評価の基準 | 地域ごとの公示地価の変動 | 公示地価や実勢価格をもとに評価 | 不動産の種類、面積、立地条件など | 市場における需給の影響 |
更新頻度 | 1年ごとに更新 | 1年ごとに更新 | 3年ごとに更新 | 常に変動 |
公開情報 | 国土交通省 「地価公示、都道府県地価調査」 | 国税庁 「路線数・評価倍率表」 | 市町村 ホームページ | 国土交通省 「不動産取引価格情報検索」 |
それぞれの用途は様々ですが、どの方法も土地の価値を評価する指標となるので、1つずつ解説していきます。
手っ取り早く調べたい人は、スキップして先に進んでください。
公示地価を調べる
公示地価は、
国土交通省が公表する土地の評価額を示す指標の一つです。
毎年1月1日現在の土地の正常な価格を国土交通省の土地鑑定委員会が決定し、内容は国土交通省が運営する「地価公示、都道府県地価調査」で確認出来ます。
公示地価は
特定の地域内での土地の平均的な価格を示していて、不動産の取引や評価に利用され、税金の算定や公共事業の予算編成などにも影響を与えます。
公示価格を1.1倍~1.2倍することで土地の実勢価格になると言われています。
相続税路線価を調べる
相続税路線価は、
国税庁が公表する土地の評価額を表す指標の1つです。
毎年1月1日現在に評価され、国土交通省による公示地価と不動産取引の実勢価格の両方を加味して、国税庁の監督のもと不動産鑑定士などの意見価格から決定します。
国税庁が運営する「路線数・評価倍率表」で路線ごとの価格が確認できます。
相続税路線価は、
土地を相続した場合の相続税、土地を贈与した場合の贈与税の額を計算するために用いられます。
相続税路線価は、公示価格の8割ほどになるよう設定されています。
固定資産税路線価を調べる
固定資産税路線価は
市町村(東京23区の場合は都)が算出する土地の評価額を表す指標の1つです。
3年ごとの1月1日に評価され、各市町村のホームページで確認することが出来ます。
固定資産税路線価から求められる固定資産税評価額が、固定資産税、都市計画税、登録免許税、不動産取得税の算定に用いられます。
固定資産税評価額は、公示価格の7割ほどになるよう設定されています。
実勢価格を調べる
実勢価格は市場での実際の取引価格を指し、最も現実的な土地の価値を知る手段です。
不動産ポータルサイトや不動産会社の情報を活用して、同様の土地の取引価格を比較することで、実勢価格を把握できます。
過去の取引価格は、国土交通省の 「不動産取引価格情報検索」で調べられます。
土地の相場を調べるなら「トチノカチ」が便利
「トチノカチ」は、
・地価・土地価格(公示地価)
・路線価(相続税路線価、相続税評価額)
・固定資産税評価額(固定資産税路線価)
の価格相場・土地の価格推移・動向がひと目でわかる無料のウェブサービスです。
「トチノカチ」を利用すれば、様々な場所の土地の価格相場を、瞬時に把握することができます。
この章では、
土地探しコンテンツ「トチノカチ」について詳しく解説します。
土地探しのお役立ちコンテンツ「トチノカチ」とは
「トチノカチ」は
全国約10,000エリア、駅周辺の公示地価・路線価および固定資産税評価額をクリックだけで簡単に調べられるコンテンツです。
「トチノカチ」に掲載されている土地相場は、国土交通省が提供する地価公示、各都道府県知事が実施する都道府県地価調査のデータに基づいているので、算定結果は土地取引の際の参考情報として安心して活用できます。
また、不動産価格は、
駅からの距離および専有面積などを説明変数(予測するために使用するデータのこと)とした回帰分析により計算しています。
これらの説明変数は、一般的な不動産売買において、不動産価値を決める重要な変数として広く知られているもので、そこから導かれた数字は、信頼できる価格相場と言えます。
簡単に土地の価値を検索できる「トチノカチ」
それでは実際に土地の価値を検索してみましょう。
操作方法はとても簡単です。
トップ画面で下にスクロールし、調べたい都道府県をクリックするだけです。
地価・土地価格(公示地価)
路線価(相続税路線価、相続税評価額)
固定資産税評価額(固定資産税路線価)
大阪府の地価・土地価格(公示地価)
例えば
「大阪府」の地価・土地価格(公示地価)をクリックすると、大阪府の住宅地の地価・土地価格(公示地価)の平均値と前年比が簡単に表示されます。
もちろんエリアを狭めて検索することも可能です。
試しに大阪のマイホームエリア
「吹田市」をクリックしてみましょう。
「大阪府吹田市」の沿線・駅ごとの公示地価や、小学校・中学校区の公示地価はもちろん、さらに細かいエリアのデータも簡単に手に入れることができます。
≫大阪府吹田市の地価・土地価格(公示地価)はこちら
≫大阪府吹田市の路線価(相続税路線価、相続税評価額)はこちら
≫大阪府吹田市の固定資産税評価額(固定資産税路線価)はこちら
「トチノカチ」を利用するメリット
全国1万地点の地価・土地価格(公示地価)、路線価(相続税路線価、相続税評価額)および固定資産税評価額(固定資産税路線価)を算定できる「トチノカチ」は、相続税や固定資産税の算定方法についての情報も案内しています。
これまでは専門家へ依頼する必要があった内容を自分自身で簡単に算出できる点も、「トチノカチ」を利用するメリットといえます。
さらに「トチノカチ」では、
相続税の納税額や固定資産税の税額の概算金額も計算できます。
相続などのライフイベントに際してどの程度の金銭負担が必要になるかは、土地の売買をお考えの方にとって、とても大切な情報のひとつではないでしょうか。
不動産の取引価格相場に関する情報は「ウチノカチ」で
「トチノカチ」の姉妹サイトである
「ウチノカチ」は、不動産の取引価格相場に関する無料のコンテンツです。
「ウチノカチ」では
国土交通省の過去15年間、合計420万件の取引情報に基づいた豊富なデータを常に更新していて、マンション、住宅、土地および賃貸物件の価格相場とその推移、家賃相場とその推移がひと目でわかります。
掲載エリアは全国25万地点、2万以上の沿線・駅周辺をカバーして、クリックだけで簡単に、しかも無料で不動産の取引価格相場を調べることができます。
公式サイト「ウチノカチ」
マイホーム購入の際には土地の相場を把握しよう
土地の相場とは、
ある地域やエリアでの土地の平均的な価格や市場の傾向を指します。
検討エリアの土地相場を把握しておくことで、
安すぎたり高すぎたりする物件に気づけたり、
予算組みの指標としたり、
物件の善し悪しを判断したり
出来るようになるため、理想の土地を見つけやすくなります。
世の中に同じ物件はありません。
相場は、あくまでも平均的な価格という事は意識しておきましょう。
関連記事
【マイホーム】予算の決め方と注意ポイント5選・住宅ローン借入額と返済額一覧表
相場を把握するメリット
基本的に、
不動産物件は「相場より高ければ高い理由があり、安ければ安い理由がある」ものです。
相場を把握することで、物件自体の価格が高いのか低いのか、それとも適正なのかの判断がしやすくなり、後で「思っていたのと違った」となる可能性を下げることが出来ます。
失敗例の紹介
お客さんからも体験談として聞くことがありますが、「気に入った物件はあったけど、相場が分からず判断に時間をかけてしまい売れてしまった」なんてことはよくあることです。
逆に、
相場よりも高い価格で土地を購入してしまい、後で後悔するケースもあります。
いざという時に正しい判断が出来るよう、土地探しの準備として相場の把握をしておきましょう。
地域ごとの相場の違い
都市部と郊外、田舎などで大きな違いが見られうように、地域ごとに土地の相場は異なります。
住みたい人が多い地域ほど高く、少ない地域ほど安い傾向があります。
同一地域内で土地の価格に差がでる理由
相場は、
地域やエリアでの土地の平均的な価格や市場の傾向ですが、その中でも1つの土地に焦点を当ててみると、同じものは無く価格もバラバラです。
相場を知ったうえで、土地の価格に差が出るポイントを押さえておくと、相場と比べ高い理由や安い理由が見えてきます。
- 建物の制限
- 立地
- 土地の広さ・形状
- 前面道路
- 高低差
- 土地の所有者
これらは、僕が土地の値段設定をする際、大きく加味しているポイントでもあります。
建物の制限
土地は用途地域や建築協定(特定の地域内での建築ルール)などによって、建築できる建物用途や高さなどに規制が設けられています。
法律や条令等の公法上の規制は、土地の利用方法を制限することになるため、価格に大きな影響を与えます。
立地
土地の立地は価格に大きな影響を与えます。
駅までの距離やバスの本数など交通機関の利便性、学校区や治安、ハザードマップなどを加味した防災などが評価され、人気エリアほど価格が高くなります。
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土地の広さ・形状の影響
土地の広さや形状も価格に影響します。
敷地が広ければ広いほど、有効活用できる可能性が広がり、価格が上がります。
また、
土地の形状によっても建築の難易度が変わり、より正方形に近い土地の方が価格は上がります。
関連記事
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【マイホーム】いびつな形の土地は価値がない?土地の形の種類と価格の関係
前面道路の重要性
土地が面している道路の状態も価格に大きく影響します。
稀にですが、売りに出されている土地の中には道路に面していないため、家が建てれない土地もあったりします。
前面道路の幅が4m以下で、セットバックが必要だったり、私道になっていたりする場合、相場よりも価格を安く設定することがあります。
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前面道路の状態が原因で
「建築不可」となっている土地もありますので注意しましょう。
高低差
道路と敷地の高低差が大きい場合、
眺望が良くなることで価格が上がることがあります。
しかし、
建物を建てる際に土地の造成や調整が必要となることもあり、その場合は追加の工事やコストが発生しやすくなります。
そういったケースのように、土地利用が難しい場合は価格が低くなる可能性があります。
また、
駐車場が掘り込みガレージになっている場合もあり、道路と敷地の高低差によっては車庫の高さが制限されるケースもあります。
所有者が個人の場合
土地の所有者が不動産屋や企業などの場合、一般的に比較的相場に近い価格帯での販売となります。
しかし、
土地の所有者が個人のケースだと、時間をかけてでも高く売りたい場合は相場より高く販売しますし、急いでいる場合は相場より安く販売をすることがあります。
まとめ
土地の相場を把握しておくことで、
安すぎたり高すぎたりする物件に気づけたり、
予算組みの指標としたり、
物件の善し悪しを判断したり
と様々なメリットがあり、理想の土地探しのための強力な知識となります。
全国約10,000エリアの
地価・土地価格(公示地価)
路線価(相続税路線価、相続税評価額)
固定資産税評価額(固定資産税路線価)
を簡単に調べることが出来る「トチノカチ」
国土交通省の過去15年間、合計420万件の取引情報に基づき、全国25万地点、2万以上の沿線・駅周辺取引価格相場を簡単に調べることが出来る「ウチノカチ」
土地探しで失敗しないよう、2つのサービスを上手に利用して検討エリアの土地相場を把握しておきましょう。