この記事は土地探しで『角地』を検討している方向けです。
「価格は高いけど角地なら間違いない」と
角地のデメリットを土地の価格だけと勘違いしていませんか?
実は『角地』には
住んでみないと分からない
建ててみないと分からない
角地特有のデメリットもあります。
僕は今まで数えきれないほどの『角地物件』に携わってきました。
角地にモデルハウスを建てるプロジェクトもいくつも経験してきています。
この記事では、そんな経験をもとに
『角地とは何か』から
『角地が持つメリット7選・デメリット7選』
を紹介していきます。
この記事を読むと
[○○だから私は角地を選ぶ]もしくは
[○○だから私は角地を選ばない」と
自分の家族に角地が合っているかの判断ができるようになります。
角地とは交差する2つ以上の道路に面している土地の事を指します。
角地とは交差する2つ以上の道路に面している土地の事を指し、
中地よりも資産価値が高く人気があるため土地の価格も高く設定されているのが一般的です。
しかし、実は角地には住んでみて初めて気づくようなデメリットも多くあります。
特徴をしっかり理解したうえで、あなたの家族にとって角地が良い土地なのか、実はそうでないのか、また、重要度が高いのかどうかを判断してみて下さい。
角地と準角地の違いは?
準角地は、アルファベットのLなどの形をした1本の道路に接する角地です。
つまり、一つの通りに面している土地と、もう一方の境界が他の土地と接している土地が準角地です。
角地は2本以上、準角地は1本の道路に面しています。
角地の隅切りすみきりなぜ必要?
写真のように『隅切り』
(土地の角を切り取って道路にすること)
があるのも角地の特徴の1つです。
この隅切りは自治体によって対応が異なるため注意が必要ですが、
通行のために曲がり角を通りやすくしたり、見通しの確保を目的としています。
角地の制限事項
角地は2つ以上の道路に面しているため、建築や土地利用において特別な制限がかかる場合があります。
ここでは簡単に注意しておくポイントのみ紹介しておきます。
角地における建物の建て方や土地利用についての制限
- 防火規制に配慮する必要がある
- 建物が角地に面している場合、火災のリスクが高くなることがあります。そのため、建築物同士の距離や、防火壁の設置などについて、防火規制に基づいた配慮が必要です。
- 建物の高さや形状に制限
- 角地に面する道路の幅員によって、建物の高さや形状に制限が生じる場合があります。たとえば、道路幅員が狭い場合、建物の高さや広がりを抑える必要があります。
- 角地緩和
- 角地緩和に関しては『角地のメリット②』でも出てきますが、建築基準法で定められた隣地との距離や道路に面する面積の割合などの制限を緩和することができます。
角地のメリット7選
角地のメリットを紹介していきます。
角地ならではのメリットもあれば、条件さえ揃えば角地以外でも得られるようなメリットもあります。
- 駐車場のスペースがとりやすい
- 建ぺい率の緩和が受けれる
- 採光・通風に有利
- 建物が大きく見える
- 間取りの自由度が高い
- 防犯上安全
- 資産価値が高い
自分の家族の土地選びが角地でなければならない理由があるか確認してみましょう。
角地メリット①駐車場のスペースが取りやすい
土地の2辺以上が道路に面しているため駐車場のスペースが取りやすくなります。
土地が小さい場合は大きく有利になりますが、土地が大きな場合や、車の台数によってはあまり気にしなくてもよいポイントです。
角地メリット②建ぺい率の緩和が受けれる
全ての角地に適用されるわけではありませんが、角地には『角地緩和』という特例が認められるケースがあります。
角地緩和が適用されると、中地と比べ建ぺい率(上空から土地を見たときに、土地に対して建物を建てることが出来る割合の事)が10%緩和されるため、大きなお家を建てたい時には有利になる可能性があります。
角地緩和が適用されるのは、
『特定行政庁ごとに街区の角地に指定されている条件に適合する場合』に限られます。
※角地緩和の説明
《土地100㎡建ぺい率60%の場合》
通常であれば最大で
[1階60㎡・2階60㎡全体で120㎡のお家]
角地であれば最大で
[1階70㎡・2階70㎡全体で140㎡のお家]
が建てれる事になります。
(ただし、土地には様々な法令上の制限がかかるので、大きなお家を建てたい場合はしっかりと不動産屋さんに建てれる最大の面積を確認してください。)
角地メリット③採光・通風に有利
道路に面している辺が多いため、角地と中地を比べ角地の方が採光通風は取りやすくなります。
しかし採光や通風は土地の大きさや接道の向き、道路の幅や隣地の条件など様々な要因によって大きく左右されます。
そのため必ずしも[角地=明るい]となるわけではありません。
角地メリット④建物が大きく見える
中地だとお家の正面しか見えませんが、角地の場合はお家の2面が見えるため大きく迫力のあるお家に見えます。
角地メリット⑤間取りの自由度が高い
玄関の位置は土地の中でも道路側に来ることが多いですが、角地の場合は2方向に道路があります。
そのため玄関位置の選択肢が多く、その分間取りの自由度も高くなります。
とは言え土地の大きさや間口(道路に面している土地の辺の長さ)の広さによっては、角地でなくても充分に光の入りやすいリビングを作れる土地もある事も知っておきましょう。
角地メリット⑥防犯上安全
角地は2方向以上の道路に面しているため、人通りや車どおりが多く人目に付きやすいです。
そのため空き巣被害に遭う確率が低いとされています。
角地メリット⑦資産価値が高い
これをメリットと言う方もいますが、買う値段が高く売る値段が高いという話です。
角地は売却に苦労しないとは言いますが、適正価格で販売すればよっぽど条件の悪い土地でなければ買い手は見つかるのが不動産です。
いかがだったでしょうか。
あなたの家族の土地選びが角地でなければならない理由は見つかりましたか?
次は角地のデメリットについて見ていきましょう。
角地のデメリット7選と対策
次は角地のデメリットを紹介していきます。
- 騒音や車のライトが当たりやすい
- 駐車がしにくい
- 価格が高い
- 視線が集まりやすい
- 危険
- 日あたりが良すぎる
- 外構費用・建築費が高い
では、順番に見ていきましょう。
角地のデメリット①騒音や車のライト当たりやすい
2つ以上の道路に面しているため、交通量が多く車やバイクの走る音やヘッドライトの光が気になる方も多いです。
角地のデメリット②駐車がしにくい
人や車の流れが多いと駐車場に車を入れるタイミングが取りにくい事も。
それに加え、特に夜間などは駐車時や出発時に周りに注意しなければなりません。
角地のデメリット③価格が高い
角地は試案価値が高く人気があるため、土地の価格自体も固定資産税も高くなります。
したがって、実際に生活をする事だけを考えるとデメリットとなります。
角地のデメリット④視線が集まりやすい
土地の2辺以上が道路に面しているため、人通りや車も多く人目に付きやすいので視線が集まりやすいのは大きな特徴の1つです、
気にならない方もいますが、視線が気になる事を原因にリビングに大きな窓が取りにくかったりするので角地を避ける方もいます。
角地のデメリット⑤危ない
角地の場合は2方向以上の道路に面しているため、中地と比べ車が曲がるときに敷地に乗り上げたり、突っ込んでくる可能性が上がります。
交通量の多い道路の角地では、小さなお子さんの飛び出しにも十分注意しましょう。
角地のデメリット⑥日あたりが良すぎる
日当たりが良いのはメリットですが、南側に面した角地などでは日当たりが良すぎることで、夏場などは特に強烈な日差しが差し込み続けることになります。
壁紙や家具が日焼けしてしまう可能性もあるので、対策が必要となるケースもあります。
角地のデメリット⑦外構費用・建築費が高い
角地ならではのデメリットに対し、
以下のような対策をとるため外構や建物に余分な費用がかかることもあります。
角地のデメリット④視線が集まりやすい
対策:植栽や目隠しフェンス
角地のデメリット⑤危険
対策:ブロック塀などの外構工事
角地のデメリット⑥日あたりが良すぎる
対策:断熱・遮熱などの建築工事
対策を取る事でせっかくの角地ならではの解放感を台無しにしてしまい、外構費用・建築費用も上がってしまう可能性があります。
いかがだったでしょうか。
角地のデメリットを読んでも、デメリットと感じない方には角地が向いているかも知れません。
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一般的に資産価値が低く見られる角地の特徴
角地の特徴をメリット・デメリットに分け解説してきましたが、角地の中にも資産価値の低い土地もあります。
「角地なのに割安だ」と思う土地を見つけた際には以下の項目に注目し検討するようにしましょう。
- 周囲の環境が悪い
- 騒音が多く、防犯上の問題があるなど、周囲の環境が悪い場合。
- 道路の形状が悪い
- 交通量が多く、交通事故の危険性が高い場合
- 土地の形状が不規則
- 建築物の配置が難しく、効率的な土地利用ができない場合
- 建築基準法や都市計画法による制限事項が多い
- 建物の高さや建築面積、用途などに制限がある場合。
角地が合うのはこんな人・合わないのはこんな人
角地は人気があり、可能であれば選択したいと思っている人はとても多いです。
しかし、メリットが多い分デメリットも多いのが現実です。
住宅販売員として、角地をおすすめ出来る人と出来ない人を紹介していきます。
角地が合うのはこんな人
- 一般的に他の土地よりも価格が高いため、土地代や外構費用に余裕がある人
- 開放感や日当たりの良さを優先順位の上位に求める人
- 地域の発展や需要の増加により、角地は将来的に価値が上昇する可能性が高いため将来の資産価値を重視する人
角地が合わないのはこんな人
- 一般的に他の土地よりも価格が高いため、予算を制限したい人
- 角地は通常、通行人や車からの視線が多いため、プライバシーを重要視する人
- 周囲の交通や騒音が入ってきやすい、静かな環境を好む人
方角との関係性も重要!後悔しない角地選びのポイント
方角と日当たりの関連性
角地も方角によって、日照時間や日射の強さが異なります。
たとえば、
南東の角地は
朝日が差し込み、日中の日当たりが良いため、朝型の生活を好む人に向いています。
南西の角地は
昼から夕方の日当たりが良く、日中に活動する人に適しています。
北東の角地は
朝の日差しを取り入れやすく、共働きの家庭に適しています。
北西の角地は
基本的に夕方西日が差し込みますが、日当たりを確保するために工夫が必要です。
道路の交通量の確認
前面道路の交通量が多いと、交通事故リスクや騒音に対する配慮が必要になります。
例えば、
交通量の多い道路に面した角地は、騒音や安全性の問題が発生する可能性が高いため、小さな子供を持つ家庭には不向きかもしれません。
前面道路に関する注意ポイントはこちらの記事を参考にしてみてください。
マイホーム[土地探し]【前面道路】で失敗しない為の重要ポイント3選
建ぺい率や容積率、制限事項の調査
土地の制限事項や用途地域、建ぺい率、容積率などを確認し、自分の計画に合致するかどうかを確認しましょう。
建ぺい率は、土地に建物を建てる際の土地面積に対する制限を示し、容積率は、建物の高さや階数に関する制限を示します。
これらの制限は、土地の有効活用や建物のデザインに影響を与えるため、建築会社や不動産屋に確認するようにしましょう。
角地の外構づくり。後悔しないためのポイントは?
外構工事の種類と選択
外構工事は庭や駐車場、アクセス経路など、建物以外の土地環境を整備するプロジェクトです。
外構工事には、様々な要素が含まれており、例えば、庭のデザイン、フェンスの設置、門の建設、駐車場の整備、植栽、照明などがあります。
これらの要素を選択する際には、自分の好みやニーズに合ったデザインを検討しましょう。
たとえば、日当たりの良い庭を望むなら、植栽を工夫し、日影を楽しむなら適切なテラスやベンチを選ぶことが重要です。
最近は、時間をかけ自分で外構を作る人も増えていますが、安全面に関わる部分はプロに任せるようにしましょう。
プライバシーの確保
外構工事は、プライバシーを守る役割も担っています。
角地は通常、周囲からの視線が多いため、遮光や目隠しの要素を取り入れることが重要で、これにより、外部の視線から守られ、快適な居住空間を実現できます。
遮光パネル、プライバシーを保つ植栽、フェンス、目隠しの壁などがプライバシーの確保に役立ちます。
生活しやすい配置と動線
外構工事は、駐車場、庭の配置、家とのアクセスを考慮して設計されます。
例えば、駐車場が使いやすく配置され、庭にスムーズにアクセスできるようになると、家族や訪問者が快適に過ごすことができます。
角地の場合は、駐車場への入りやすさや前面道路の交通量なども踏まえて検討しましょう。
角地の日当たりは方角によってさまざま
太陽は東からの昇り西に沈み、日本には四季があります。
そのため、角地でも土地の向きは日当たりにも大きな影響を与えます。
ここでは土地の向きによる違いをそれぞれ解説していきます。
角地ではない土地の方角による違いはこちらの記事を参考にしてみて下さい。
マイホーム|住宅販売員が教える日当たり重視の土地探しポイント3選と方角による特徴
南東角地
朝日が差し込み、日中の日当たりがよい
南東に面した角地は、朝日が差し込むため、朝の明るさと日中の日当たりを楽しむことができます。
これは、朝型の生活を好む人や、明るい環境を求める人に適しています。
角地の中で人気ナンバー1
南西角地
昼~夕方の日当たりがよい
南西に面した角地は、夕方まで太陽があたるため、家の中は常に明るく、暖かい陽光を存分に楽しむことができます。
夕方になっても家の中は温かい陽射しで包まれており、暖かい食事や家族との時間を楽しむのに理想的です。
角地の中で人気ナンバー2
北東角地
朝は日差しを取り入れやすい
北東に面した角地は、朝の日差しを取り入れやすく、暖かい朝の光を楽しむことができます。
朝から洗濯をしたり、共働きの家族におすすめです。
角地の中で人気ナンバー3
北西角地
日当たりの確保に工夫が必要
北西に面した角地は、夏季の日差しが強いため、日除けの工夫が必要です。
しかし、冬は夕方西日が温かく部屋の温度は下がりにくくなります。
角地の中で人気ナンバー4
まとめ:マイホームに角地を検討するならデメリットも理解しましょう。
角地は、魅力的な特徴とメリットがありながら、デメリットや注意するべきポイントもあります。
- 特徴とメリット
- 駐車場のスペースがとりやすい
- 建ぺい率の緩和が受けれる
- 採光・通風に有利
- 建物が大きく見える
- 間取りの自由度が高い
- 防犯上安全
- 資産価値が高い
- デメリットと注意事項:
- 騒音や車のライトが当たりやすい
- 駐車がしにくい
- 価格が高い
- 視線が集まりやすい
- 危険
- 日あたりが良すぎる
- 外構費用・建築費が高い
角地のメリットデメリットを理解したうえで、やっぱり角地がいいなと思うのであればあなたの家族には角地が向いているのだと思います。
注意点に気を付けて理想の角地を探してみて下さい。
しかし、「どうしても角地がいいと言うわけでもないな」と思えたのであれば、角地ではなく角地の特徴に近い中地を探してみても良いと思います。
満足いくものを少しでも安く探すことが出来れば、その分家族で旅行に出かけたり建物にお金をかけたり出来ますね。