マイホーム計画における土地探し。
土地の形は様々です。
「整形地が良いって聞いたけどなんでだろう」
「いびつな形状だと価値が下がるのかな?」
「不整形地って何?」
「相続税と土地の形状にはどんな関係が?」
この記事では、そんな疑問を持つ方に向けて、1000を超える様々な形の土地に携わってきた僕が土地の形状に関する情報を分かりやすく説明します。
「土地の制限で、思うような建物が建てれなかった。」
「土地に予算をかけすぎてしまった。」
こんな失敗をしてしまわないためにも、土地の形状による特徴と価格の関係をしっかり理解しておきましょう。
土地の形状による使い勝手の違いを知ることで、土地代を抑え建物に予算をまわせる可能性も出てきます。
土地の形と価格の関係
一般的に、
土地の形状は正方形に近ければ近いほど人気が高く、それに伴い価格も高く設定されています。
例えば、
同エリア内での多区画分譲地の場合、価格設定をするにあたり、重要視するポイントとしては下記項目がメインとなります。
様々な条件を視野に入れ価格設定をしますが、
同条件の土地同士の場合は、整形地に近い形ほど価格が高くなります。
土地の形状の種類
土地の形状は
大まかに整形地と不整形地に分けられます。
- 整形地(正方形や長方形)
- 不整形地(三角形や台形や平行四辺形・旗竿地など)
整形地に近い方が使いやすいのは確かですが、
不整形地でも使い勝手の良い土地はあります。
しかし、土地の形のせいで
・駐車スペースが取りにくい
・思うような建物が建てれない
そういった失敗に繋がらないようそれぞれの土地の形の特徴を理解しておくことが大切です。
整形地
整形地とは、
四角や長方形のような整った形を持つ土地のことです。
このような土地は、建築しやすく、設計やプランニングが比較的シンプルです。
しかし、整形地は多くの人に魅力的とされるため、需要が高く価格も高めです。
不整形地
不整形地とは、
整形地とは対照的に規則的でない形状を持つ土地を指します。
例えば、くぼみや出っ張りのある土地、三角地、傾斜地、旗竿地などが含まれます。
不整形地は形状が複雑であるため、建築や設計において課題が生じることがありますが、その代わりに独自の魅力やアイデアを活かすことができます。
また、整形地と比べ価格が抑えられている事が多いのも大きな特徴の1つです。
不整形地の土地の形状の種類
不整形地にも多くの種類が存在し、
それぞれの特徴が異なります。
以下にいくつか代表的な不整形地の種類を紹介します。
特殊な土地の形状と評価
- 旗竿地の評価
- 旗竿地は、土地が道路に面している部分が細長く、その奥に建物が建っているような状態の土地です。
不整形地の中でも特徴的な形状で、一般的には比較的安く価格設定されています。
しかし、価格以外にも様々なメリットがあり旗竿地を好んで選ぶ人も少なくはありません。
- 旗竿地は、土地が道路に面している部分が細長く、その奥に建物が建っているような状態の土地です。
- かげ地やくぼみのある土地
- かげ地やくぼみのある土地は、周囲との高低差がある土地を指します。
これらの地形は、景観に変化をもたらし、庭園やプライバシーを確保するのに適していますが、排水には注意しましょう。
- かげ地やくぼみのある土地は、周囲との高低差がある土地を指します。
- 三角地や傾斜地の活用
- 三角地は、三角形の形状を持つ土地で、創造的な設計が求められます。
傾斜地は、高低差がある土地で、建物を坂に沿って配置することが一般的です。
これらの不整形地をうまく活用することで、ユニークな住まいを実現できます。
- 三角地は、三角形の形状を持つ土地で、創造的な設計が求められます。
- 地下に鉄道や高速道路が通る土地
- 地下に鉄道や高速道路が通る土地は、騒音や振動の影響があることがあり、建物の選定や設計において、適切な対策が必要です。
しかし、交通アクセスが良い場所に位置することが多いため、利点もあります。
- 地下に鉄道や高速道路が通る土地は、騒音や振動の影響があることがあり、建物の選定や設計において、適切な対策が必要です。
土地の形状には、価値や評価に影響を与える要素がたくさんあります。
その中でも整形地と不整形地の違いや、形状による建て方のコツ、そして土地の形状ごとのメリットとデメリットについて理解することが大切です。
こちらの記事では旗竿地について細かく解説しています。
旗竿地も検討している人はぜひ参考にしてみてください。
旗竿地は恥ずかしい?後悔しない土地探しのために旗竿地を知ろう。
整形地・不整形地のメリットとデメリット
整形地のメリットは、建築しやすく、設計がシンプルであることです。
通常、整形地では建物の配置や間取りを自由に選ぶことができ、効率的なプランを立てやすいです。
また、整形地は一般的に需要が高いため、将来の売却時にも有利な場合が多いです。
しかし、整形地は高い価格が付いていることが多いため、購入費用がかさむことがあります。
整形地のメリット
- 建物が建てやすい
- 駐車場が取りやすい
- 採光が取りやすい
土地の形は駐車場の取り方や、お家を建てることが出来るスペースに綿密に関係してきます。
例えば、整形地(正方形や長方形)と不整形地(台形や三角形など)の土地があった場合、下の図のように土地の広さが同じでも有効に使えるスペースが全然違います。
図のような不整形地だと、建物を建てたりお庭にする事がむずかしく、有効に使えないスペース「デッドスペース」が出来てしまっているのが分かると思います。
それに比べて整形地では駐車場のスペースも取りやすく、建物も綺麗に収まっています。
せっかく購入した敷地内にデッドスペースがあると税金も無駄にかかってしまうので、整形地の方が人気があるのは当然ですね。
ただし、条件によっては必ずしも不整形地よりも整形地の方が良いわけでもありません。
整形地のデメリット
- 土地価格が高い
- 固定資産税が高い
- 売れてしまうのが早い
土地の形が整形地に近いほど人気があるため、競争率も価格も高くなっていることがデメリットと言えます。
マイホームに対しての優先事項を考えたときに、整形地でなくても問題がないのであれば無理に整形地を選ぶ必要はありません。
不整形地のメリットとデメリット
不整形地のメリットは、
整形地よりも価格が低い傾向があり、予算を抑えることができるところです。
しかし、不整形地は建築に課題を持ち、プランニングやデザインに工夫が必要な場合があるため注意しましょう。
良い不整形地の特徴3選
整形地が人気のある理由は分かったと思いますが、すべての不整形地が整形地と比べて使いにくいわけではありません。
不整形地であっても、以下のような条件下の場合は検討してみるべきです。
- 土地が広い
- 採光が取りやすい
- 有効利用しやすい
上記のようなケースであれば、
土地の形を理由に価格が安く設定されている不整形地はお買い得です。
土地が広い不整形地
駐車場の数や建物の大きさにもよりますが、
土地が広ければ広いほど不整形地のデメリットは消え、整形地と変わらず駐車場や建物を建てるスペースは取りやすくなります。
採光が取りやすい不整形地
不整形地の場合は、デッドスペース(建物などに使えないスペース)が出来てしまう事があります。
しかし、そのデッドスペースのおかげで隣地などとの間に空きスペースが出来、採光がとりやすくなったり、風が通りやすくなるケースもあります。
有効利用しやすい不整形地
建物は建てれないデッドスペースでも、
家庭菜園や物置スペース・駐輪場などとして有効利用できることもあります。
不整形地でも土地の特徴と自分の理想をすり合わせてみましょう。
自分だけの掘り出し物件が見つかるかもしれません。
土地選びのポイント
- 複数回の現地確認
- ハウスメーカー選びに注意
不整形地を含めた土地探しをする際、上記のポイントには特に注意するようにしましょう。
複数回の現地確認
土地を選ぶ際には、インターネットの情報だけに頼らず、必ず現地を複数回確認しましょう。
土地の形状や周囲の環境を実際に確かめることで、将来の住まいに対するビジョンが明確になります。
時間帯や平日、土日などタイミングを変え複数回現地を確認することで見落としを減らし、新たな気づきを得ることもあります。
ハウスメーカー選びに注意
ハウスメーカーを選ぶ際にも土地の形状に精通しているかどうかが重要です。
経験豊富なハウスメーカーは、不整形地の特徴を活かした建物を提案してくれるでしょう。
適切なハウスメーカーを選ぶことで、土地の潜在的な価値を最大限に引き出すことができます。
相続税評価と土地形状
土地の形状は、
相続税にも影響を及ぼす要因となります。
相続財産を評価する際、土地が不整形である場合、通常の整形地に比べて評価が低くなることがあります。
言い換えれば、不整形地は相続財産の価値が割安に評価されることが多いのです。
このため、土地の形状が相続税に影響を与えることも知っておきましょう。
不整形地補正
相続税の評価において、不整形地の評価額が通常より低く設定されることを調整するために、不整形地補正と呼ばれる仕組みが存在します。
この補正を活用することで、相続税の支払いを適正な範囲に抑えることができます。
言い換えれば、相続税を過度に支払うことなく、土地の形状に合わせた公正な評価を受ける手段と言えます。
例えば、不整形地を相続する場合、その土地が通常の整形地と比べて評価が低い傾向があるかもしれません。
しかし、不整形地補正を受けることで、その差を緩和でき、相続税負担を軽減することが可能です。
今すぐに必要な知識ではないと思いますが、頭の片隅に置いておきましょう。
まとめ:視野を広げることでお得に土地選びをしましょう
土地の形状は、住宅や建物に関する重要な要素であり、価値や評価に影響を与えます。
整形地と不整形地、変形地それぞれにメリットとデメリットがあり、その中で価格面も含め家族に最良の選択をしたいものですよね。
「いびつな形の土地は価値がない?」という疑問に対する答えは、土地の形状によって評価が変動するという事実です。
しかし、それはあくまでも資産的な意味合いであり、選択する人にとってはベストな土地となる可能性もあります。
大切なのは土地の形状には様々な側面があり、それぞれの特徴を理解し、土地選びをすることです。
不整形地や変形地は、工夫次第で素晴らしい住環境を実現できます。
土地の形にはそれぞれ一長一短の特徴がありますので、「綺麗な形の土地じゃないと嫌だ」と決めつけず使い方や価格、隣地の状況などを踏まえて広い視野で考えてみて下さい。
あなたの家族にとってのお買い得物件をきっと見つけることが出来るはずです。